高校デビュー
高校デビューということばを知ったのは、高校生になってしばらくたってからだった。
ゆえに自分が高校デビューするはずもなく、中学3年生の自分のまま高校1年生になったように思う。
元々、学校でモテようとか格好付けようとするタイプではなかったし、中学から沢山の同級生が同じ高校に行くことになるのに、いきなり「変身」するような勇気はなかった。
そんな風に、かなり穏やかに高校1年生を過ごしていたが、サッカー部に入部したこともあって、高校2年、3年の頃には髪型を流行のものにしたり、ファッションにも気を遣ったり、ゆったりと自分を変えていったと思う。
今では大分歳を取り、同年代の人間を見ていてもかなり「おじさん」的な格好をしていると思うが、自分はなんとか以前の体型とファッションを保つようにしている。
髪型も何かイベント事があるときには、きちんとセットする。
たまに高校のサッカー部での集まりがあるのだが、多くは既に結婚しており、当時より大分落ち着いた印象だ。
しかし、一番のファッションリーダーだった者は今でもやはり格好いい。
気を付けているということもあるだろうし、もう毎日の身だしなみに細心の注意を払うということが日常的になっているのだと思う。
彼がダサい格好をしているのは観たことがない。
彼は2児の父親だが、家ではおじさんが着るようなセーターやスウェットを着ているのだろうか。
きっとそうなのだろうけど、やはり想像がつかない。
それくらい日々の服装がオシャレだったし、周りからの憧れもすごかった。
学年1の美女と付き合っている時期もあったが、やっかみはなく、彼なら当然という雰囲気だった。