面接と趣味

私は趣味が沢山あると思っているが、後輩が就職活動の時に言った「僕は多趣味なんですよ」ということばがあまり魅力的に感じなかったことで、自分は色んな趣味を持っているという言い方をするのは避けている。
後輩は就職活動時に私に模擬面接の面接官をするようお願いしてきた。

快く引き受け、「面接」してみたのだが、何か好きなことはないかと尋ねたときに「多趣味なんで色々ですね」という説明では自分に魅力を感じさせることは難しいのだなとそのとき初めてわかった。
色んな趣味があるということは、色んなことに興味があって、様々な経験をしてきた、だから何でもできるタイプの人間だという流れに沿って考えていたのは間違いだったのだ。
結局彼は推薦で大手メーカーに就職したのだが、推薦なしで面接に臨んでいたらどうなっていたかわからない。
ある1つ、他人が持っていないような趣味を深く話せる方が相手の食いつきはいいと思う。
例えば彼は、ゲームの大会に出たり、麻雀雑誌を毎月購読する大学生だったから、そのどちらかを掘り下げて話すことがいいだろう。
実は私はこんなことを言いながら、自分は単に映画を見たり、カラオケに行ったり、ゲームをしたりするといった面白みのない趣味しかないのだ。
まあ、とは言え一週間で20本のDVDを観たり、カラオケは1人で8時間唄ったり、小学生ではクリアできないと言われるようなゲームを攻略してしまうような根気の強さがあったりするので、その辺りを相手に伝えれば面白いと思ってもらえるだろう。
趣味の合う相手もいいが、違う趣味を持った相手の話はもっと面白いのだから。

趣味がないときの返事の仕方

英会話の学校に通うと思うと必ず躊躇してしまう。
実は、英会話の最初の10分ほどの世間話がいやなのである。
かならず聞かれることがある、それが、週末何をしていましたか。
私は、その答えを言うために、おちおちしていられらない週末をすごさなければならないからだ。

英会話の教室に通うと、どのレベルであれ、最初に世間話を英語で行う。
その会話の話題に上がるのが、週末何をしたかなのである。
週末になにもせずに過ごすことができないような気分になってくる。
だが、何もせずにだらだらと過ごす週末ほど楽しいものはない。
家で、無駄な時間を過ごせる唯一の時だからである。
だが、それが最初の1回目ならいいのだが、2回も続くとそうはいかない。
買い物にいっただの、どこかへでかけただの、なにか小さくてもいいのでイベントごとがないと話が先へ進まない。
仕方なく、映画に行ったことにするのだが、そうすると、今度は映画を見に行くことが趣味かと聞かれる。
たしかに嫌いではないが、趣味というほどではないので、ここでまたこまってしまうことになる。
趣味を聞かれると、これまた、なにもない。
それなりに好きなことはあったりするが、趣味と呼べるほどに気合が入っていないのである。
だから、結局、何となく、その時にやってたことを趣味と言うことにしてしまったりして、あとで後悔することになる。
なにもないと言えばいいのだが、それだと2つ目の話題も展開できなくなり、英会話の授業の最初の準備体操にならなくなってしまうのである。
英会話の教室へ通うのは意外と厄介である。

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