サッカー人生
人生の中でいくつも大事にしている考えや大切なものがそれぞれあると思う。
私もいくつか思い当たる。
サッカーが大好きだということも1つだろう。
私は小学校から大学までずっとサッカー一筋だった。
スポーツは何でもやった。
スキー、スケート、バスケットボール、テニス、野球などどんなスポーツも努力して人よりうまくできるようになったが、ずっと続けていたスポーツは1つで、それがサッカーだ。
小学校では転校が多く、サッカーの少年団には入ることができなかったが、昼休みや放課後には今思えば凄く短い数十分間を一杯に使って、グラウンドでボールを追いかけていた。
中学校からは部活に入った。
小学生の頃からやることが多かったゴールキーパーのポジションに決めた。
レギュラーになることはなかったが、教室で勉強しているだけでは体験しないであろう、文字通りの「友達との本気のぶつかり合い」がいい思い出だ。
高校生になり、一度はやめようと思ったが、違う中学だった生徒から試合の時に顔を見たことがあると誘われ、大学受験まで期間懸命にボールを追った。
ここでも上手な仲間がいて、レギュラーにはなれなかったが、悔しさはなかった。
元々、競争するためにやっている意識はなく、チームが勝つとそれだけで心から嬉しいというタイプだったからだ。
ただ、本当に力の限りを尽くして練習をした。
おかげで、スポーツや体力で学校上位にいることなんてないと思っていた自分が、誰にも走り負けることがなく、体力測定でもいい成績を残せた。
そういったことも良かったし、何より最高の仲間ができたことが嬉しかった。
最後に負けた試合では、引退するメンバーみんなで泣いたことは今でも忘れられない。
負けた悔しさもあったが、これでもう一緒にやることはないんだと思うと涙が溢れてきた。
当時のように、一緒に身体の限界まで追い込むということはもうないが、毎年集まって近況を話し合ったり、室内練習場で子供達と一緒にプレーしたりするのが楽しい。