お寿司屋さん

「お寿司屋さんになりたい。」
これが私の口癖だった。
幼稚園に通っていた頃から、将来の夢は「お寿司屋さん」で、親や仲の良い友達のお父さん、お母さんもそれを知っていた。

私は当然大人になったら「お寿司屋さん」になるものだと思っていたが、「大人」になった今「お寿司屋さん」にはなれていない。
別にそれをどうこうしたいということはなくて、小さい頃の夢が変化していくのは誰にだって経験があることだろう。
珍しくもない。

しかし、実は私は高校生で真剣に進路を悩むときまでずっと「お寿司屋さん」が夢だった。
現実として、大学で物理学を勉強したいと選択した時に、自分は「お寿司屋さん」にはなれないのだろうと静かに納得したことを覚えている。

これも別にしたい話ではなくて、もう少し時を遡る。
中学生の時だ。
サッカーが大人気だった当時、私は兄と同じサッカー部に入部した。
当時は5軍まであるほどの人数がいて、さらに地域で優勝するほどの強さを誇っていた。

私は同じポジションの同級生とすぐに仲良くなり、毎日練習後に一緒に坂道を下り、帰っていた。
中学生の頃は大人びる気持ちと子供の頃の純粋な気持ちが入り交じり、格好付けた話も素直な微笑ましい話もしていたように思う。

ある日の帰り道、将来何になりたいかという話になった。
私は引っ込み思案だったため、すぐに発表はしなかったのだが、そうすると同じポジションだった友達が「俺は寿司職人になる」と言ったのだった。
同じ夢を持った友達に会ったのは初めてだったかもしれない。
自分も「お寿司屋さん」になりたいと言った。

しかし、彼から返って来た反応は予想外だった。
「お寿司屋さんじゃない。なるのは寿司職人だろう」と言われたのだ。
今でも覚えているくらい衝撃があったのだろう。
ずっと「お寿司屋さん」だと思って来た夢が「間違って」いたのだから。

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